日本テレマン協会コンサートシリーズ
テレマンの街ハンブルクから中之島をウィーンに!

Concept

中央公会堂

  堂島川と土佐堀川にはさまれた中州である中之島は大阪を代表する景観を持つ街ですが、近代においては図書館や大学などが次々と建設され、文化と情報の中心でもありました。
  その中において大阪市中央公会堂は、大大阪時代の文化的発展の象徴的施設であり、かつてクライスラーによる演奏会やアインシュタインによる講演など、今では考えられないような豪華な催しが次々と行われてきました。
  歴史的建造物でありながら一般に開かれ、また演奏会の会場として使用できる建物は全国的に見ても稀な例と言える大阪が世界に誇れる財産でしょう。しかし、時代が進むにつれて音楽専用ホールがいくつも建てられ、大阪市中央公会堂は「クラシック音楽の殿堂」とまでは言い難いのが現状です。
  我々日本テレマン協会は、大阪の財産である中央公会堂を舞台とし、関西文化の発展に寄与するため、「中之島をウィーンに!」をスローガンにすすめ、春夏秋冬の年間4回の公演を実施しています。

スヴィーテン男爵

  バッハやヴィヴァルディを代表とするバロック音楽は1600年ごろから1750年ごろまでの音楽様式で、モーツァルトやハイドンを代表とする古典派は1750年ごろから1800年代初頭までの様式と言われています。名前が変わることで両者の間には大きな壁があるように感じている方も多いのではと思いますが、実際には1750年ごろを境に音楽の様式が一変したわけではありません。
  18世紀のウィーン国立図書館の館長にスヴィーテン男爵という人物がいました。図書館長の前には外交官を務め、ヨーロッパ各地でバロック時代の作曲家の楽譜を集め、図書館長に就任後はモーツァルトやハイドン、ベートーヴェンにその楽譜を紹介したと言われています。モーツァルトがヘンデルのオラトリオ「メサイア」を編曲したのはスヴィーテン男爵からの依頼によるものでした。スヴィーテン男爵はまさにバロックと古典派を繋ぐ人物だったのです。

中之島をウィーンに!

  当協会のコンサートシリーズ「中之島をウィーンに!」では、ウィーン国立図書館のホールを思わせる中央公会堂中集会室で、ウィーンで活躍したスヴィーテン男爵にゆかりの作曲家の作品を取り上げることで、バロックと古典派にある「壁」を取り払いたいと考えています。バッハの「ブランデンブルク協奏曲」やベートーヴェン、モーツァルトの交響曲・協奏曲などを取り上げていきますが、サリエリなどの一般には広く知られていない作曲家の佳曲を発掘・紹介していくことも18世紀音楽の専門団体として重要な使命であると考えています。
  また、中央公会堂の所在地である大阪市はハンブルク市と友好都市提携を結んでいます。ドイツにあるハンブルクは、現在ではオーストリアにあるウィーンとは国も違えば距離も遠いですが、18世紀は神聖ローマ帝国の北と南の要所でした。さらに、作曲家テレマンが活躍したのもハンブルクでした。日本テレマン協会としては18世紀音楽の専門団体として「バロックと古典派」という時代を繋ぐだけでなく、社会の一員であるオーケストラとして大阪とハンブルク、そしてウィーンを繋ぐことで関西の文化振興や国際交流に寄与出来ればと考えています。


【会場】大阪市中央公会堂3F中集会室
(大阪府大阪市北区中之島1丁目1−27)
交通アクセス(大阪市中央公会堂HP)

【今後の公演予定】