高田泰治 Taiji TAKATA
ドイツ在住。2003年神戸新聞松方ホールにてテレマン室内オーケストラとともにピアノ、フォルテピアノ、チェンバロのそれぞれの協奏曲を一夜で演奏するという公演にてデビュー。
チェンバロ奏者としては2009年1月にレマーゲン(ドイツ)においてチェンバロコンサートが開かれ、当地の新聞からも「素晴らしい音色を奏でた」「非常に幅広い技術を持っている」など高い評価を受けた。帰国後J.S.バッハの「ゴルトベルク変奏曲」を好演(大阪)。『高田は“古”楽器を媒介にしつつも、感情どころかルバートすら一切削ぎ落とし、新たなゴルトベルク観を切り拓いた』(「音楽の友」2009年5月号)と評価され、今までの古楽的な常識を破る新しい解釈の可能性を説得力のある演奏で示した。2009年9月には日本テレマン協会の定期演奏会(東京)にてオールJ.S.バッハプログラムを好演し「音楽的に心地よいその流れと、メリハリのある節回しは、高田の鋭いセンスを物語っていた」(「音楽の友」2009年11月号)という評を得た。2010年7月には日本テレマン協会の定期演奏会(東京)にてJ.S.バッハ「ゴルトベルク変奏曲」を好演。これらオールバッハの公演(東京)における演奏内容がバッハ研究の総本山「バッハ・アルヒーフ」(ライプツィヒ)に高く評価され、2011年5月に同団体の定期演奏会に招聘され、J.S.バッハ「パルティータ 第2番」「イギリス組曲 第2番」などを好演。鍵盤奏者としては日本人初の出演となった。また同公演での演奏曲目を収録したCDが10月リリースされた(ナミレコード)。
フォルテピアノ奏者としては、東京、京都、奈良の国立博物館におけるモーツァルト、ハイドン、J.C.バッハなどの作品の公演を皮切りに全国的な活動を展開。2009年には日本テレマン協会定期演奏会にてベートーヴェン「ピアノ協奏曲 第2番」を好演。2010年にはNHK「クラシック倶楽部」にてモーツァルト作曲ピアノ協奏曲 第12番をフォルテピアノで好演し話題となる。また同年4月よりモーツァルト作曲の一台のためのピアノ協奏曲全曲を3年のスパンで演奏するシリーズを開始(2012年に完結)。全国的な注目を集めた。
現在はバロックヴァイオリンのU.ブンディースとデュオを結成しドイツでも演奏活動を展開中。フォルテピアノとチェンバロをC.ショルンスハイムに師事。また2012年よりA.シュタイアーに、2013年よりO.ボーモンに師事。2013年4月にはU.ブンディースとのデュオのCDをリリース。平成23年度坂井時忠音楽賞受賞。2014年には中之島中央公会堂(大阪市)にて、ベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲公演(全3夜)を好演。2015年、U.ブンディースとの2枚目のデュオと、フォルテピアノ・アルバムを、2016年には4つの古典鍵盤楽器を使用した「うつろい」をリリース。平成28年度咲くやこの花賞音楽部門受賞。2018年、J.G.グレーバー製作オリジナルフォルテピアノによる「ベートーヴェン・アルバム」CDが雑誌「レコード芸術」(2018年8月号)にて特薦盤となる。2018年度音楽クリティッククラブ賞奨励賞受賞。令和2年度神戸市文化奨励賞受賞。